最近読んだ本 [日々の生活]

 ここ2ヶ月ほど忙しくて、ろくに本を読む暇も読んだ本のことを書く暇もなかったので、このへんでまとめてみた。

子ども兵の戦争

P・W・シンガー
小林由香利訳
日本放送出版協会
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『戦争請負株式会社』の著者の現代戦争分析第二弾。
 前著同様、要は一九〜二〇世紀において、ヨーロッパ中心で確立されたように見えていた近代戦の定義が、グズグズに崩れてしまった結果、武器だけ現代兵器のまま、戦争の様相が中世以前に逆戻り、もしくはさらに悪化しているか、もともと「近代戦なんか知らないよ」と思っていた人々が押しつけられた戦争観をはねつけてるだけのようにしか読めない。
「戦争にもルールを」というのは、まったくもって偽善でしかないが、偽善であってもないよりはマシなのも確かなわけで……。

カラシニコフII

松本仁一
朝日新聞社
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 衝撃的だった『カラシニコフ』の続編。
『子ども兵の戦争』に、子ども兵の増加は子どもでも簡単に扱える殺傷力の強い武器の普及によるという記述があり、その筆頭にあげられていたのが、このカラシニコフ機関銃だった。
 本書に出てくる国々の現状を読むと、10代の少年少女たちが戦争に巻き込まれるアニメを、純粋なフィクションとして楽しめる我々日本人の幸運を、つい噛みしめてしまう。

小林宏明のGUN講座2
ミステリーで学ぶ銃のメカニズム


小林宏明
エクスナレッジ
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 上記のように偉そうなことを言いながらも、こういう本を見ると反射的に買ってしまう自分もいたりする。武器に対する偏愛を捨てられないところが、我ながら矛盾していると思う。それを動物的な闘争本能と言って逃げてしまうのは問題だが、だからといって矛盾を無理に解消しようとすると、どちら側に転んでも極端なだけの危険な人間ができあがる気もするし……。

ウソの歴史博物館

アレックス・バーザ
小林浩子訳
文藝春秋 文春文庫
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 いわゆる偽書や偽造写真など、有名なでっちあげの数々を、中世の偽書から現代におけるネット上のものまで取り上げた本。
 ネタそのものは、純粋に笑えるもの、困惑させられるもの、悪意に辟易するものなどさまざまだが、それよりも本書ではあまり触れられていない、その背後に潜む動機が気になる。

さようなら、いままで魚をありがとう

ダグラス・アダムス
安原和見訳
河出書房新社 河出文庫
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『銀河ヒッチハイク・ガイド』シリーズ第4弾。まさか、今になって翻訳で読めるとは!
 続く最終巻も早く読みたい。

日本列島は沈没するか?

西村一、藤崎慎吾、松浦晋也
早川書房
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『日本沈没』を切り口に、地球についての最新の科学知識をレポートした本。
 まったく別個に設定を再構築したリメイク映画版における日本沈没のメカニズムと、比較しながら読むのもおもしろい。

日本沈没第二部

小松左京、谷甲州
小学館
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 33年ぶりの続編。あまりにも後半が駆け足。倍の分量を費やして、新たな災害である氷河期そのものを具体的に描写して欲しかったと思うのは、読者のないものねだりか?

ぼくがカンガルーに出会ったころ

浅倉久志
国書刊行会
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 浅倉さんの初エッセイ集。巻末の翻訳リストに圧倒されっぱなし。好きな作家の筆頭にハリスンとヴァンスについての文章が置かれているのがうれしい。

狼男の逆襲

ジェフ・ロヴィン
友成純一訳
扶桑社 扶桑社ミステリー
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 ユニバーサル映画の3大モンスター、ドラキュラ、狼男、フランケンシュタインが現代に甦って対決するという、ユニバーサル映画公認の、マニアによるマニアのためのマニアックなバカ本(誉めてます)。

スーパーマン・リターンズ

マーヴ・ウルフマン
富永和子訳
小学館 小学館文庫
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 公開が待ちきれずについ買って読んでしまったノベライズ。
 なんと、今度の新作は、キャストこそ一新されているものの、ストーリー的には10数年前のクリストファー・リーヴ主演版「スーパーマン」&「スーパーマン2」の続編だったとは。
 ちなみに、著者のウルフマンは「ティーン・タイタンズ」で80年代前半に大ヒットをとばしたのが有名な、アメコミのベテラン・ライター。

ベータ2のバラッド

サミュエル・R.ディレイニー他
若島正編訳、浅倉久志他訳
国書刊行会
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 ほんとに、今になって「ベータ2のバラッド」の翻訳が読めるとは。国書刊行会ありがとう。でも「四色問題」はダメだと思う。

黒澤明vs.ハリウッド
『トラ・トラ・トラ!』その謎のすべて


田草川弘
文芸春秋
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 なぜ、黒澤明は映画「トラ・トラ・トラ!」の監督を降板することになってしまったのか。アメリカ側の資料を調べまくり、新証言も交えて緻密に検証した本。なによりも、「クリエイター対資本」という単純化した形で誰かを一方的に悪者にしていない、平衡感覚に溢れた視点と、とにかく調べまくる姿勢がすばらしい。

シンギュラリティ・スカイ

チャールズ・ストロス
金子浩訳
早川書房 ハヤカワ文庫SF
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 イギリスSF界の新鋭の長篇翻訳第1弾。
 うーん、ピーター・F・ハミルトン、アレステア・レナルズ、ケン・マクラウドの3人に比べると、諧謔が強い分、わたしは苦手かも。いや、嫌いじゃないんだけど。

ダ・ヴィンチ・コード最終解読

皆神竜太郎
文芸社
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 と学会の本でもお馴染みの識者による『ダ・ヴィンチ・コード』検証本。というより、あの小説をネタにして、あそこで取り上げられているウソを事例とし、いわゆる「陰謀論」がいかにして形成されていくかのケース・スタディとして読め、むちゃくちゃおもしろい。

妖怪文化入門

小松和彦
せりか書房
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『異人論』、『悪霊論』等の著者による妖怪の民俗学的考察集。それぞれの文章は短めだが、要点がまとまっているし、巻末の参考文献一覧とあわせて、入門書としてお勧め。

コラプシウム

ウィル・マッカーシイ
嶋田洋一訳
早川書房 ハヤカワ文庫SF
(amazon)(bk1)

 最近のいわゆる「ニュー・スペース・オペラ」のアメリカ版というように位置づけていいのかも。
 ただ、他の作家たち(特にストロスとハミルトン)の作品もそうなんだけど、現代SFらしい意匠をこらしてそれなりの理屈をつけたガジェットを出してるけど、だからといってハードSFでは全然ない気がするのはわたしだけ?>ニュー・スペース・オペラ。
 てか、別に普通のSFというのはこれくらい科学的であっていいわけで、もうちょいと実現性か理論性かが高くないと、ハードSFと言ってはいかんのではないかと……。

殺人鬼オーストゥンに帰る

リック・リオーダン著
伏見威蕃訳
小学館 小学館文庫
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 アメリカ南部の片田舎ハードボイルド〈トレス・ナヴァー〉シリーズ第4弾。
 自分が住みたいとはまったく思わないけど、南部の田舎くささが良い感じで、ついつい読み続けているシリーズ。

sampo

2006年07月23日08時13分04秒 | Permalink | コメント(0) | Trackback(0) |




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